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コラム
2016.12.30
コラム

昨日、適用を求める日本弁護士連合会会長談話をご紹介しましたが、

会長談話と同趣旨の法解釈により、無事、被災者生活再建支援法が適用されることになったようです。

 

こうしたロビー活動というのは、因果関係は永久に明らかにならないのですが、28日時点では議員が適用を求めるのに官僚が法解釈を理由に抗っていたという状況でしたので、29日に出た、日本最大の法律専門家団体である日弁連会長談話は多少影響したものと思われます。

 

これで具体的にどうなるかといいますと、糸魚川大火で全焼した居宅の世帯には、100万円が支給されることになります。使い道制限無し・返済不要です。少し早いちょっとしたお年玉のような感じでしょうか。

 

さらに、居宅を再建した場合には、追加で200万円支給されます。生活再建への力強い後押しになります。

 

また、糸魚川大火の影響で借金の返済が困難になり、一定の基準を満たす場合には、被災ローン減免制度(自然災害ガイドライン)が適用を受けることが可能になります(100%確定ではありませんが、ほぼ間違いないはずです)。

 

生活再建資金を手元に残したまま、借金の減免を受けられることがありますので、火災保険金等で借金を返済できない、あるいは返済できるけれど返済してしまうと生活再建が厳しくなる、といった場合は、返済する前に新潟県弁護士会に必ずご相談ください。

 

終わりよければ全てよし、ということわざも一応ありますし、いい年末になりました。

 

(以下 NHKニュース引用)
糸魚川火災 被災者生活再建支援法の適用対象に

12月30日 12時02分

 

松本防災担当大臣は自民党の会合に出席し、新潟県糸魚川市で起きた大規模火災について、「強風によって延焼し、通常の火災とは異なる」として、被災者生生活再建支援法の適用対象とすることを明らかにしました。

新潟県糸魚川市の大規模火災を受けて、30日午前、自民党の会合が開かれ、政府から松本防災担当大臣が、糸魚川市から米田徹市長が出席しました。

ここの中で、米田市長は「風が強かったため、火が広がるのが早かった。火災ではなく、自然災害ではないかととらえている」と述べました。そのうえで、被災者を財政面で支援する制度の創設や、がれきを処理するための財政支援などを早急に行うよう求める要望書を提出しました。

一方、松本防災担当大臣は「強風で広い範囲に延焼し、通常の火災とは異なる点がある。安倍総理大臣の指示を受けて検討した結果、自然災害の『風害』としてとらえ、被災者生活再建支援法を適用できることにした。火災を適用対象とするのは初めてだ」と述べ、家屋の被害状況によって支援金などを受けられる被災者生活再建支援法の適用対象とすることを明らかにしました。

被災者生活再建支援法が適用されると、最大で300万円の支援金が支給されることになっています。

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2016.12.29
コラム

日本弁護士連合会会長が、年末にもかかわらず、糸魚川市の大規模火災に関する会長談話を発表しました。

 

 

糸魚川大火災に関する日弁連会長談話(PDF版)

 

短くわかりにくい部分もありますので、補足説明してみます。

※被災者生活再建支援法の方について補足します。ガイドラインは後日。

 

まず、東日本大震災や熊本地震などで適用され、被災者の生活再建に貢献した、被災者生活再建支援法という法律に基づく制度があります。

全壊した世帯に、被害時に100万円、再建時に最大200万円の被災者生活再建支援金を支給する制度です。

 

東日本大震災当時、避難所相談で最も評判がよかったのがこの制度です。

「全てを失ってしまった」としても、生活支援の足がかりになるお金を支給してもらえる、という制度だからです。使い道に制限もありません。

 

糸魚川市の大規模火災では、多くの方が、何の責もないのに被災し、住まいを失いました。

その被害は深刻かつ広範で、暮らしや地域の復興には、上記のような支援制度の適用が必要だと思います。

 

しかし政府は、被災者生活再建支援法を糸魚川大火に適用することには消極のようです。

その理由は、以下の2つだと思われます。

1 火元が自然現象ではない

2 被災者生活再建支援法2条1号が定める定義に、大規模火災があげられていない

 

いまの政府の考えのままにいくと、次のようになります。

1 ストーブが地震で倒れて火事になり、144棟が全焼した場合(地震だから適用あり)

2 ストーブに躓いて倒してしまい、144棟が全焼した場合(人災だから適用なし)

私はこの差は、火元になった家はともかく、それ以外の世帯については不合理だと思います。

 

何らの責任もないのに住まいを失ったことも、その被害が周辺地域に広がっていることにも変わりはないからです。上記の日弁連会長談話は、以上を踏まえた上で、糸魚川大火への被災者生活再建支援法の適用を求めています。

 

まず、今回なぜ144棟もの被害が生じたのかと言えば、それは強風があったからだと思われます。

 

当日の風は気象庁のHPで確認できるのですが、12月22日の糸魚川市には、約14時間もの間、断続的に平均風速10m/s 最大瞬間風速20m/s もの風が吹き続けていました。当然、強風警報も出ていました。さらにこのとき糸魚川市にはフェーン現象が起きており、乾燥した風でした。

言ってみれば、この異常に継続して吹き続けた強風により、ただの火事が燃え広がり、144棟もの被害が生じてしまったということです。

 

次に、被災者生活再建支援法2条1号は、適用する災害を以下のように定めています。

「一  自然災害 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火その他の異常な自然現象により生ずる被害をいう。」

 

この定めのポイントは二つでして、1つは末尾に「その他の異常な自然現象」という定めがあることです。

このように具体的にいくつか記載した上で末尾に「その他」と定める方法を一般に例示列挙といい、その他の前に書いてあるいくつかの記載はあくまでも「例」で、これに限定する趣旨ではない、「例」以外に適用されることもある、と解釈することができます。

 

2つめのポイントは、末尾が「生ずる被害」で結ばれている点です。

自然災害=被害、という少し変わった定め方がされています。被災者生活再建支援法は、結果生じた「被害」に着目している法律なんだ、という法の趣旨が伺われます。

 

以上を合わせると、糸魚川大火の被害は、長時間継続した異常な強風&フェーン現象という自然現象によって生じた被害だから、被災者生活再建支援法2条1号の自然災害に該当する、と解釈することができるはずです。

 

被災者生活再建支援法1条は、この法律の目的が、「生活の再建を支援し、住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資すること」であると定めています。政府には、ぜひ被災者生活再建支援法の目的に沿った法解釈をしていただき、糸魚川大火に適用するという判断をしてほしいと思います。

 

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2016.12.23
お知らせ

誠に勝手ではございますが、12月28日~1月3日までの間、営業をお休みさせて頂きます。
また、12月24日(土)もお休みとさせていただきます。

 

年始は1月4日からの営業となりますので、よろしくお願い申し上げます。

2016.12.01
お知らせ

 

高江オスプレイパッド建設に関連する刑事事件について、

関係者の方へのお願いがありますので、こちらにアップさせていただきます。

 

関係者のみなさま、ご協力のほど、よろしくお願い申しあげます。

 

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弁護人からのお願い