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コラム
2019.03.12
コラム

 

『熊本地震、課題を調査』『日弁連が益城町で聞き取り』

https://this.kiji.is/475110999809360993?fbclid=IwAR1uWGBhWLlbYB-xUv0OTDSTypolvMnxJJHR2r2V4QUROyKgMOxikcww5Ug

【2019年3月4日 熊本日日新聞】

 

先日3月3日~4日の二日間、当事務所弁護士小口幸人が日本弁護士連合会の災害復興支援委員会の一員として、熊本地震(本震:2016年4月16日午前1時25分。最大震度7(マグニチュード7.3))の被災地の実情や問題点把握のため、益城町や南阿蘇村を訪れ、視察や聞き取り調査を行いました。

 

2016年に発生した大地震ですが、未だ復旧段階の途中にあり、2018年8月現在でまだ25,990名の方々が応急仮設住宅等での生活を余儀なくされています。

各地域、世帯によって抱える事情や問題点は様々です。

とはいえ、被災された方々が少しでも震災前の生活を取り戻せるよう、安心した生活が送れるように、きちんと補助制度や支援の手が行き届けられなければなりません。

その問題点の追求、改善のため、今回のように全国の復興支援委員の弁護士が一同に会し、現地で被災された方々の声に直接耳を傾け、議論や意見交換を行っています。

 

 

災害は起きてほしくないものです。

ただ、昨年2018年にも、6月に大阪北部地震、7月に西日本豪雨災害、9月に北海道胆振東部地震と、多くの自然災害が発生しています。

私が出来ることは何だろう。と、悲しいニュースを目にする度に考えます。

今回、弁護士小口が持ち帰ってきた資料を見ながら、「考えることをやめず、そしてさらに行動に移すことを常に自分に言い聞かせ、将来の災害に対する備えをしっかり固めていこう」と改めて肝に銘じました。

 

《事務局》

 

2019.02.19
コラム

新しい最高裁判決が出ました。
だいぶ、誤解されやすい見出しがついて報じられていますので、注意喚起も兼ねてコラムを書いてみます。

 

1 離婚慰謝料って?
話題になっている「離婚慰謝料」という言葉は、

「離婚に伴う慰謝料(不貞行為を理由とするものを除く)」
という意味で使われています。

多くの場合、不貞により夫婦関係が悪化し離婚に至るわけですが、この裁判では、一審で消滅時効に関する争いがあったため、慰謝料(精神的損害)を、「不貞行為によるもの」と「離婚自体によるもの」に分ける形で争われています。

ちょっと事案は違いますが、現在も、同じような論点を含んだ裁判を一つ担当しています。

 

 

2 判決の内容
今回の判決は(末尾にリンクあり)、夫婦の一方は、不貞相手に対し、不貞による損害賠償は請求できるけれど、離婚自体による損害賠償は、「特段の事情のない限り」請求できないというものです。

最高裁判所の初判断ということになります。

 

 

3 実務への影響
もの凄く大きな影響があるとは思いませんが、ある程度の影響はあると思います。

形式的には、明日以降、あらゆる「不貞→離婚」の裁判で、不貞相手が負うのは不貞による責任だけで、離婚自体の責任は負わないという主張がなされ、その前提で判断がされるでしょう。特段の事情に関するやりとりも始まると思います。

 

また、よくネット等で、「夫婦が離婚するかしないかで、不貞相手が負う損害賠償額は大きく変わる」というような記載を見ますが、そうではないことが「理論の上」はハッキリしました。

この観点でいくと、夫婦が離婚に至った場合に不貞相手が負う損害賠償額の相場が、数十万円程度、今よりも下がる可能性があります。

 

ただ、元々実務では、離婚自体慰謝料と離婚原因慰謝料という概念はあり、それでも曖昧にされて「トータルいくら」みたいな判断がされてきましたので、理屈より「座り」というか「落としどころ」的なところを優先してきた下級審の裁判官は、今後も今回の最高裁判決に囚われることなく、従前どおりの判断をするのでは、という気がしています。

よって、不貞相手が負う損害賠償額の相場は、すぐには変わらないけれど、下降傾向になるのではと予想します。

 

4 ハッキリしていること
ただ、それでもハッキリしたことが一つあります。それは、仮に配偶者が不貞をして傷ついた場合、その慰謝を求めるのであれば、知ったときから3年以内に損害賠償請求の裁判を起こさないと、慰謝は受けられなくなるということです。

夫婦関係を維持しながら、不貞相手(あるいは配偶者と不貞相手の両方)に損害賠償を請求するという行為は、ときに難しいのですが、3年経つと時効になってしまうことがはっきりしたので、1年2年経ってモヤモヤが残っているようであれば、離婚するか否かは別にして、損害賠償請求することを検討するようにしてください。

 

記事
不倫相手には請求できず=離婚の慰謝料、初判断-最高裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019021900619&g=soc&fbclid=IwAR32Yhkj-L_n3RJikqeg6C3X5TGm9EAh8YlYodS6S8kGuKZmq9zUQH9xBNo

 

最判平成31年2月19日第三小法廷判決
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/422/088422_hanrei.pdf?fbclid=IwAR28mXBKnU2nil1SJhiCUNsbC7NFEd6ZPSYyRP6wAO9vQYqTsZ2P75YaB7c

 

 

2019.01.28
お知らせ

この度、当事務所弁護士小口幸人が八重瀬町の行政不服審査員に再任されました。

さて、「行政不服審査員って何?」と思った方も少なくないと思います。

今回のコラムでは、行政不服審査制度について記述させていただきます。

 

1.行政不服審査制度とは?

国や地方公共団体は、法令に基づき、税や社会保障に関する決定や、個人や企業に対する許認可など、多くの行政事務を行っています。例えば、市区町村が介護保険の申請に応じて要支援の認定という「処分」を行ったり、納税額の決定という「処分」を行ったりすることなどがこの行政事務に含まれます。

 

これらの処分はもちろん法令に基づいて行われた結果ですが、時に、その処分に納得がいかないといった場合があります。

この国や地方公共団体による処分に対して、納得がいかない時に、審査の請求をすることが出来るのが「行政不服審査制度」です。

 

行政機関から送付される納税通知や何らかの決定書の裏面、もしくはどこかに「この決定に不服がある場合には…」といった文章を見たことはありませんか?

そう、それこそが行政不服審査制度なのです。

 

2.審査請求の手続きの流れは?

一般的な流れは以下のとおりです。

 

①審査請求

行政不服審査手続きは、行政処分に納得がいかない方が、「審査請求書」を作成し、審査庁に提出することで始まります。

 

②形式(適法性)審査

審査庁は、審査請求書に必要事項が記されているかどうかを審査し、所定の手続きをとります。

 

③審理員の指名

審査庁は、個別の審理を行う「審理員」を指名します。今回、弁護士小口幸人が八重瀬町から任命されたのは、この役割です。審理員は必要な審理を行ない、審査請求をした方や処分庁から提出された主張や証拠を踏まえ、意見を作成し審査庁に提出します。

 

④諮問・答申・裁決

審査庁は審理員から意見書が提出されたら、特別な場合を除いて第三者機関(※)に諮問し、第三者機関からの答申を受けて裁決(却下、棄却、認容)を行います

※国の機関が審査庁である場合は、総務省の行政不服審査会、地方の場合には、各地方公共団体の執行機関の付属機関になります。

 

このように、国や行政が決めたことについては、裁判に似た簡易迅速な不服申立て手続きが備え置かれています。この手続きを、より客観性のある、実効性のあるものにする意識の強い自治体は、審理員に、裁判に精通した弁護士を選任しています。

市が言うことだから…。

といって納得がいかないことをそのままにしてはいませんか?

一度、処分決定などの書面を確認し、納得がいかない場合は、まずは弁護士に相談してみましてみましょう。

 

《事務局》

2019.01.01
お知らせ

謹んで初春のお慶びを申し上げます。

おかげさまで当事務所は3回目の新年を迎えました。

これまでご支援・ご指導いただきました皆さまに、改めて厚く御礼申し上げます。

 

2019年は亥年です。

干支が亥の人は、芯の強さが特徴で

「裏表なく、何事にも熱心。かつ物事をやり遂げる情熱がある」と言われているようです。

当事務所も、亥年の方々に負けぬよう、一つ一つの事案、一人一人の依頼者に情熱を持って向き合っていく所存です。

 

また、イノシシの肉は万病を予防する効果があるといわれているようで、

それが由来となり、亥の年は「無病息災の年」とも言われるそうです。

だからといって亥に頼りすぎることなく、それぞれの健康管理にも十分に気を配っていきます。

 

新しい年が皆様にとって、輝かしい一年でありますことをお祈りいたします。

本年も何卒宜しくお願い致します。

 

※新年は1月7日(月)から平常業務となります。

 

 

2019年元日

2018.12.21
お知らせ

平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

年末年始の休業期間について、以下お知らせ致します。

関係者の皆様にはご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

 

【休業期間:2018年12月29日(土)~2019年1月6日(日)】

 

新年は2019年1月7日(月)から業務開始となります。

※ホームページからのお問い合わせにつきましても、1月7日以降、順次返答させていただきます。

2018.10.31
コラム

国土交通大臣が、執行停止を決定したため、辺野古新基地建設の埋め立て工事が再開するようです。

 

埋め立て撤回「効力停止」:国地方係争処理委員会に申し立て 玉城知事「強い憤り」(沖縄タイムス)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/337750

 

 

行政不服審査法を取り扱うこともある弁護士からすると、「防衛大臣」が「国土交通大臣」に行政不服審査法に基づいて審査請求するという行為は、法律の目的に反しており、このような決定は、不服申立て審査手続きに必要な客観性を欠いており不当に見えます。

 

大臣といっても、それは国の機関、つまり手足です。
国の左手(防衛大臣)が右手(国土交通大臣)に審査請求したところで、どちらも脳(内閣総理大臣)に選任され、その意に基づいて動いているのですから、認めるのは目に見えており、客観性はないということです。

 

行政法学者の多くも反対しています。

辺野古新基地:行政法研究者110人の声明文全文
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/336001

 

細かい話しとしては、行政不服審査法7条2項が定める「固有の資格」は、同法1条の目的に整合する形で広く解釈すべきであり、政府の解釈は誤っていると考えます。
※なお、行政不服審査法改正のときの国会審議を国会議事録検索システムで調べると、この論点に関する双方の主張もある程度わかります。「固有の資格」で検索する調べられます。

 

さて、このコラムでお伝えしたいのはここからでして、記事によると、今後は国地方係争処理委員会での争いになるようです。

 

国地方係争処理委員会というのは、これまた国の機関の一つです。よって、そんなの期待できないという声が上がるのはわかります。

ただ、国地方係争処理委員会に沖縄県と国が提出した書類は、原則全て公開されます。つまり、辺野古新基地建設の問題が何で、沖縄県はどんな主張をし、国はどんな反論をしているのかを、直接知ることができます。

 

争っている当事者双方の主張を直接見るという方法は、問題状況を誤解なく把握し、自分の頭で考える絶好の機会です。

 

今後の争いについても、全ての書面は、総務省国地方係争処理委員会会議資料のHPに随時アップされていきます。

例えば、前回の沖縄県と国の争いのときの書面が、いまも、国地方係争処理委員会の平成27年度第6回~平成28年度第8回のホームページにアップされています。
※すべての書面が最終回である平成28年度第8回(2016年6月17日開催)のところにまとまってのっています。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02gyosei01_03000273.html

 

どれも長文ですので、読むのはかなり大変だと思いますが、誤解なく辺野古の問題を知りたい、偏らずに双方の意見を見たいという人にとっては、これ以上いい機会はないと思いますので、ぜひご活用ください。

 

2018.10.19
コラム

『対話なき国 憤る県民』『不動の民意を無視』

【2018年10月18日 沖縄タイムス30面】

 

当事務所弁護士小口幸人のコメントが新聞に掲載されました。

 

先日10月17日、沖縄防衛局は、辺野古新基地建設を巡る県の埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法(行審法)に基づき処分の取消を求め、公有水面埋立法を所管する国土交通省に審査請求をしました。併せて、撤回の効力を止める執行停止も申立てました。

この動きを受けて、弁護士小口がコメントを寄せています。

 

先月9月30日、約8万票の大差で沖縄に新しい知事・玉城知事が誕生しました。

その後、10月12日、安倍首相、菅官房長官と会談を行い、「辺野古反対」の意を直接伝えました。

県知事選から17日後、国との会談からわずか5日後の出来事です。

 

17日前に鮮明になった沖縄県民の意思はなんだったのでしょうか。

5日前に玉城知事から国へ伝えた思いはどこにいったのでしょうか。

安倍首相や菅官房長官は、どんな気持ちで12日の会談の場にいたのでしょうか。

 

翁長元知事の急逝から、少し暗いオーラに包まれているような気持ちが続いていたのですが、先日の県知事選でその気持ちが晴れつつあるところでした。

その中、耳に入ってきたこのニュースにまた気持ちが重くなっています。

我が子に、美しい沖縄を見せられるだろうか。安心した将来を残せるだろうか。不安でなりません。

《事務局》

2018.08.15
コラム

南山法律事務所は、8月22日から8月27日までの間、夏季休業とさせていただきます。

関係者の皆さまにはご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解のほど宜しくお願い申し上げます。

 

なお、8月28日より通常どおり営業させていただきます。

2018.07.20
被災者・被災地支援

先日のコラム 早急に義援金禁止法制定を で求めた義援金差押禁止法が、無事成立しそうです。ひとまずよかったです。

とはいえ、このようなドタバタになったのは熊本地震後も恒久法化されなかったことが原因です。速やかに臨時国会を開き、恒久法を成立させていただき、二度と同じことが起きないようにしていただきたいです。

2018.07.15
被災者・被災地支援

平成30年西日本豪雨の被害について、義援金を出した方は多いのではないでしょうか?

 

さて、みなさんはどんな気持ちで義援金を出しましたか?

被災者の方の「生活再建」に使ってほしいと思ってではないでしょうか。私もそうです。

 

しかし、このままでは義援金のかなりの部分が、

「地震で壊れた家の震災前のローンの返済」に充てられてしまうことになります。

 

これを避けるためには、東日本大震災のときのように、義援金差押禁止法の立法が必要です(東日本大震災関連義援金に係る差押禁止等に関する法律)。少し細かい話になりますが説明します。

 

まず、破産について定めた破産法という法律があります。破産法は、34条3項2号で、仮に破産をしたとしても「差押禁止財産」は手元に残して生活再建に使える、手元に残せると定めています。よって、義援金差押禁止法ができると、仮に被災者の方が破産したとしても、義援金を手元に残して生活再建に使うことがで
きるようになります。

 

そして、破産をしたときでさえ残せるわけですから、昨年12月に発表され、熊本地震で幅広く利用されることが見込まれている「被災ローン減免制度(自然災害による債務者の債務整理に関するガイドライン)」を利用して、震災前の住宅ローンの減額や免除を受けたとしても、義援金を手元に残し生活再建に充てることができるようになる、ということです(清算価値保障原則といいます)。

NHK時事口論「積極的な活用を! 被災ローンの減免制度」

 

例えば、震災で住宅が全壊等したときに受け取れる被災者生活再建支援金や、

震災でご家族が亡くなられたときに受け取れる災害弔慰金は、どちらも差押禁止財産になっています。

これと同じように、東日本大震災のときのように、義援金も差押禁止財産にされるべきです。

 

 

金融機関も被災したんだから、そんなことを定めるのはよくない、とお感じになる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、例えば金融機関はローンを組むときに「もしものときは義援金から返済してもらおう」と考えていたでしょうか。

 

こういった視点は法律の世界では「取引の安全」に関する重要な事項だと考えられています。世の中では多くの取引がされている以上、軽はずみに後から法律をいじって、取引当事者の予想外のことをしてはならないという考え方です。

この考え方はとても大事なのですが、私は義援金を差押え禁止にしても取引の安全を害さないと思います。

なぜなら、金融機関は地震保険加入を義務づけていないし、地震保険をローン返済の担保にとってもいないからです。地震のときのことを考えたならば、地震保険加入を義務づけ、地震保険金をローン返済の担保にとっているはずです。しかし、それすらもしていない以上、義援金を返済のあてにしているはずがありません(取引の安全のためにも、義援金差押禁止法は恒久法にした方がよいと思います)。

 

以上のとおりですので、義援金差押禁止法を、政府でも超党派の議員立法でもかまわないので、早急に立法してほしいと思います。

 

【さて】実は、ここまでの部分は、以前の私の投稿のコピペです。熊本地震のときにも、全く同じ問題状況が起きたのです。そして、実際に無事指摘しました。

平成二十八年熊本地震災害関連義援金に係る差押禁止等に関する法律

 

本来であれば、こういう問題は今後の災害でも起きるわけですから、「恒久」的な法律を次の国会あたりで成立させなければならないのですが、それがされないうちに、また大きな災害が起きてしまいました。

今国会の会期はあとわずかです。大至急、上記と同様の特措法を成立させた上で、秋の臨時国会では必ず恒久法の制定をお願いしたいです。