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コラム
2018.10.31
コラム

国土交通大臣が、執行停止を決定したため、辺野古新基地建設の埋め立て工事が再開するようです。

 

埋め立て撤回「効力停止」:国地方係争処理委員会に申し立て 玉城知事「強い憤り」(沖縄タイムス)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/337750

 

 

行政不服審査法を取り扱うこともある弁護士からすると、「防衛大臣」が「国土交通大臣」に行政不服審査法に基づいて審査請求するという行為は、法律の目的に反しており、このような決定は、不服申立て審査手続きに必要な客観性を欠いており不当に見えます。

 

大臣といっても、それは国の機関、つまり手足です。
国の左手(防衛大臣)が右手(国土交通大臣)に審査請求したところで、どちらも脳(内閣総理大臣)に選任され、その意に基づいて動いているのですから、認めるのは目に見えており、客観性はないということです。

 

行政法学者の多くも反対しています。

辺野古新基地:行政法研究者110人の声明文全文
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/336001

 

細かい話しとしては、行政不服審査法7条2項が定める「固有の資格」は、同法1条の目的に整合する形で広く解釈すべきであり、政府の解釈は誤っていると考えます。
※なお、行政不服審査法改正のときの国会審議を国会議事録検索システムで調べると、この論点に関する双方の主張もある程度わかります。「固有の資格」で検索する調べられます。

 

さて、このコラムでお伝えしたいのはここからでして、記事によると、今後は国地方係争処理委員会での争いになるようです。

 

国地方係争処理委員会というのは、これまた国の機関の一つです。よって、そんなの期待できないという声が上がるのはわかります。

ただ、国地方係争処理委員会に沖縄県と国が提出した書類は、原則全て公開されます。つまり、辺野古新基地建設の問題が何で、沖縄県はどんな主張をし、国はどんな反論をしているのかを、直接知ることができます。

 

争っている当事者双方の主張を直接見るという方法は、問題状況を誤解なく把握し、自分の頭で考える絶好の機会です。

 

今後の争いについても、全ての書面は、総務省国地方係争処理委員会会議資料のHPに随時アップされていきます。

例えば、前回の沖縄県と国の争いのときの書面が、いまも、国地方係争処理委員会の平成27年度第6回~平成28年度第8回のホームページにアップされています。
※すべての書面が最終回である平成28年度第8回(2016年6月17日開催)のところにまとまってのっています。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02gyosei01_03000273.html

 

どれも長文ですので、読むのはかなり大変だと思いますが、誤解なく辺野古の問題を知りたい、偏らずに双方の意見を見たいという人にとっては、これ以上いい機会はないと思いますので、ぜひご活用ください。

 

2018.10.19
コラム

『対話なき国 憤る県民』『不動の民意を無視』

【2018年10月18日 沖縄タイムス30面】

 

当事務所弁護士小口幸人のコメントが新聞に掲載されました。

 

先日10月17日、沖縄防衛局は、辺野古新基地建設を巡る県の埋め立て承認撤回に対し、行政不服審査法(行審法)に基づき処分の取消を求め、公有水面埋立法を所管する国土交通省に審査請求をしました。併せて、撤回の効力を止める執行停止も申立てました。

この動きを受けて、弁護士小口がコメントを寄せています。

 

先月9月30日、約8万票の大差で沖縄に新しい知事・玉城知事が誕生しました。

その後、10月12日、安倍首相、菅官房長官と会談を行い、「辺野古反対」の意を直接伝えました。

県知事選から17日後、国との会談からわずか5日後の出来事です。

 

17日前に鮮明になった沖縄県民の意思はなんだったのでしょうか。

5日前に玉城知事から国へ伝えた思いはどこにいったのでしょうか。

安倍首相や菅官房長官は、どんな気持ちで12日の会談の場にいたのでしょうか。

 

翁長元知事の急逝から、少し暗いオーラに包まれているような気持ちが続いていたのですが、先日の県知事選でその気持ちが晴れつつあるところでした。

その中、耳に入ってきたこのニュースにまた気持ちが重くなっています。

我が子に、美しい沖縄を見せられるだろうか。安心した将来を残せるだろうか。不安でなりません。

《事務局》

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