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コラム
2019.01.28
お知らせ

この度、当事務所弁護士小口幸人が八重瀬町の行政不服審査員に再任されました。

さて、「行政不服審査員って何?」と思った方も少なくないと思います。

今回のコラムでは、行政不服審査制度について記述させていただきます。

 

1.行政不服審査制度とは?

国や地方公共団体は、法令に基づき、税や社会保障に関する決定や、個人や企業に対する許認可など、多くの行政事務を行っています。例えば、市区町村が介護保険の申請に応じて要支援の認定という「処分」を行ったり、納税額の決定という「処分」を行ったりすることなどがこの行政事務に含まれます。

 

これらの処分はもちろん法令に基づいて行われた結果ですが、時に、その処分に納得がいかないといった場合があります。

この国や地方公共団体による処分に対して、納得がいかない時に、審査の請求をすることが出来るのが「行政不服審査制度」です。

 

行政機関から送付される納税通知や何らかの決定書の裏面、もしくはどこかに「この決定に不服がある場合には…」といった文章を見たことはありませんか?

そう、それこそが行政不服審査制度なのです。

 

2.審査請求の手続きの流れは?

一般的な流れは以下のとおりです。

 

①審査請求

行政不服審査手続きは、行政処分に納得がいかない方が、「審査請求書」を作成し、審査庁に提出することで始まります。

 

②形式(適法性)審査

審査庁は、審査請求書に必要事項が記されているかどうかを審査し、所定の手続きをとります。

 

③審理員の指名

審査庁は、個別の審理を行う「審理員」を指名します。今回、弁護士小口幸人が八重瀬町から任命されたのは、この役割です。審理員は必要な審理を行ない、審査請求をした方や処分庁から提出された主張や証拠を踏まえ、意見を作成し審査庁に提出します。

 

④諮問・答申・裁決

審査庁は審理員から意見書が提出されたら、特別な場合を除いて第三者機関(※)に諮問し、第三者機関からの答申を受けて裁決(却下、棄却、認容)を行います

※国の機関が審査庁である場合は、総務省の行政不服審査会、地方の場合には、各地方公共団体の執行機関の付属機関になります。

 

このように、国や行政が決めたことについては、裁判に似た簡易迅速な不服申立て手続きが備え置かれています。この手続きを、より客観性のある、実効性のあるものにする意識の強い自治体は、審理員に、裁判に精通した弁護士を選任しています。

市が言うことだから…。

といって納得がいかないことをそのままにしてはいませんか?

一度、処分決定などの書面を確認し、納得がいかない場合は、まずは弁護士に相談してみましてみましょう。

 

《事務局》