『「日本国旗損壊」罪 必要?』『憲法改正案 参政党が提出』『自維も前向き/一部に慎重論』
【2025年11月6日 東京新聞】
先日の東京新聞において、弊所弁護士小口幸人のコメントが掲載されましたので報告いたします。
10月27日、参政党は、日本国旗を破いたり、燃やしたりすると罪になる「日本国国章損壊罪」を新たに盛り込んだ刑法改正案を参議院に提出しました。これを受け、自民党一部と日本維新の会も、同様の刑事罰創設に前向きな姿勢を見せています。
片や、同じ自民党内から、過去の動きから一貫して慎重な意見を出している方もいます。
(さかのぼること約10年以上前の2012年5月、自民党は同様の刑法改正案を国会に提出するも、日本弁護士連合会など、様々な反対の声が挙がり廃案となっています。さらに2021年、自民党内で同様の法案提出を目指す動きがありましたが、同党内から慎重な声があり、法案提出に至らなかったという経緯があります。)
今回提出された法案は、過去と同じく、あらゆる国旗損壊を犯罪にするのではなく、「日本国に対して侮辱を加える目的」の場合のみを処罰する法案になっています。
この法案について、弁護士小口幸人は以下コメントしました。
「神谷氏が例示した行為(街頭演説時、市民らが「バツ」印をつけた日の丸を掲げて抗議をした)は、日本国の侮辱ではなく極右的な主張をする参政党への抗議にしかみえない。」
とし、刑事罰ができたとしても適用の対象外との見解を示し、
「問題が起きないように何らかの行為を禁止するのが刑法だ。それなのに問題を防げない法案になっており理屈が通っていない」
2012年5月当時の日本弁護士連合会の会長声明にこんな一文があります。
「国家の威信や尊厳は本来国民の自由かつ自然な感情によって維持されるべきものであり、刑罰をもって国民に強制することは国家主義を助長しかねず、謙抑的であるべきである。」
つまり、私たちの感情は誰からも規制・強制されるものではないのです。
■刑法の一部を改正する法律案(国旗損壊罪施設法案)に関する会長声明(日本弁護士連合会)
≪事務局≫




